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チモシーグラス

Author:チモシーグラス
がんを経験してみて、改めて生きるすばらしさに目覚めました。

大好きな馬のこと、愛猫のこと、草花のこと、健気に生きるさまざまな命の輝きを、四季折々に綴ります。


なお、当ブログ『チモシーファーム』の画像と文章の無断転用を、固く禁じます。


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元気をくれた旅

yawatauma081007-1.jpg
(八戸で買い求めた八幡馬、敷物は八戸裂き織り。
手作りの品からみちのくの温もりが伝わってくる
・・・2008年10月7日、千葉・鎌ケ谷にて)

kan_cyan081007-1.jpg
(尻屋崎でひとめぼれした「寒立馬ベビー」。
旅の間中、カンちゃんと名づけたこの子に、
一人旅の寂しさを癒してもらった)

たった5日ぶりなのに、久しぶりに自宅で迎えた朝はめっきり秋めいていて
季節の流れを感じる。

初めての青森馬旅。
北の最果て尻屋崎で海風に吹かれ、寒立馬のおおらかさに触れ、岩木山を仰ぎ見て、
真っ赤なりんごにかぶりつき、優しい人と馬に会えて、日に日に気持ちが開放されて
いくようだった。
そして、たくさんの元気をもらい心のエネルギーが満タンになった。

当初予定していた引退馬の牧場巡りは事前の準備不足がたたり叶わなかったが、
また改めて出直そう。

馬に会いたい一心で出かける旅、次はどの馬がどこへ連れていってくれるのだろう。

『三本木農業高校、馬術部』

青森に来てからの4日間は日焼けが心配になるほどの晴天続きだったが、
最終日の今日はとうとう朝から雨。

ほんとならがっくりくるところだが、よし!あの映画を観に行こう!
盲目の馬と女子高校生の実話を映画化した『三本木農業高校、馬術部』が
ちょうど一昨日から公開されていた。
映画の舞台、三本木農業高校は青森県十和田市に実在し、女子高生の湊華苗さんは
とうに卒業して社会人となっているが、盲目の馬タカラコスモスも健在だと聞いていた。

原作の『私、コスモの目になる!」(取材と文:橘美佳、主婦と生活社刊)を読んでいたので、
映画化されたと知って、公開を楽しみにしていた。
旅先の青森で観られるなんて、これも何かのご縁かもしれない。

八戸駅前の観光案内所で映画館を教えていただき、バスで町中にある八戸フォーラムへ。
席について上映を待っていると、あちこちの席から青森弁の会話が
BGMのように聞こえてきて耳に心地よく、青森にいることを実感する。

映画は予想通り、始めから涙腺が緩んで鼻がぐしゅぐしゅ。
あちこちからも鼻をすする音・・・。
突然の病気で盲目になった乗馬界のかつての女王タカラコスモスが、担当になった
高校馬術部の部員の少女とさまざまな葛藤の末に彼女に心を開くまでが、
厳しくも美しい青森の四季の中で綴られていた。

晴れの日も雨の日も風の日も、そして雪の日も黙々と馬に乗り、馬の世話をする
馬術部員たちに、昨日お会いしたSさんと☆ちゃんの姿がだぶったのも、
涙の理由だったかもしれない。
人と馬が心を通い合わせることは、生半可ではできないのだ。

映画館を出ると一段と雨が激しくなっていたが、気分は青空のようにすがすがしく
爽やかだった。
家に帰ったら、また原作を読み返してみたくなった。

ホシウラナイ

hirosaki_ringo081005-1.jpg
(真っ赤なりんごに囲まれて・・・2008年10月5日、青森・岩木山観光りんご園にて)

hoshiuranai081005-1.jpg
(`道草‘を楽しむホシウラナイちゃんとSさん・・・2008年10月5日、青森・弘前にて)

hoshiuranai081005-2.jpg
(後ろに見えるのはりんご畑。甘い香りが漂ってきそう・・・)

昨日は寒立馬に出会えた感動の余韻にひたりつつ、ゆっくりとした朝を過ごし
遠出の疲れをいやした。
そしてお昼から歩いた種差海岸のみごとな景観にまたまた感動、すっかり青森びいきに
なってしまった。

たっぷり英気を養い、今日は馬友達訪問と念願のりんご狩りのため弘前へ。
午前中はりんご園、午後から馬友達のところへ。
八戸から特急で約2時間、岩木山のりんご園まではさらにバスに揺られて小一時間。
雄大な岩木山が町を見守るように裾野を広げている。
バスが町を離れてしばらくすると、あたり一面、りんご、りんご。
真っ赤な実が星をちりばめたようにりんご畑が延々と続く。

お目当ての観光りんご園に着きバスを降りた途端、甘い香りに包まれた。
「入園料は500円、食べ放題、日没まで好きなだけいていいよ。ゆっくりしていってね」、
園主さんのお言葉に、ほんとできることなら夕方までいたい。
けど、午後からはSさんと愛馬☆ちゃんが待っていてくれるからそうもいかない。

かごをひとつもらって、☆ちゃんへの手土産にと真っ赤なりんごをひとつ、ふたつ、
そっともぎとってみる。
うう、これがやってみたかった!
もぎとると、ずしりと手におさまるりんごの重み。
楽しくてほっておくと、きりなくやってしまいそう。
かごにあふれるほどもぎとって、おしまいにする。
後は、おいしそうな実を探して(といっても、みんなおいしそうだが)味わう。
食べ放題といったって、そんなに食べれないよと入る前は思っていたのに、
結局3個も食べてしまった。

ずしりと重いりんごのかごを手に、再びバスに乗って弘前駅へ戻り、タクシーで
☆ちゃんのいるH馬術協会へ。
☆ちゃんことホシウラナイはトウカイテイオーの娘。
いつもSさんのサイトで拝見している☆ちゃんは、テイオー・パパに雰囲気が
とてもよく似ている。
競走馬にはなれなかったが、縁あって弘前で乗馬になれて縁あってSさんと出会えた。
馬の幸不幸は出会った人で決まるといつも思うが、
☆ちゃんはSさんに出会えて、Sさんは☆ちゃんに出会えて、きっとお互いに幸せなんだ。

午前中の乗り運動を終えて、Sさんと☆ちゃんは厩舎にいた。
☆ちゃんはサイトで見ていたとおりの品のある女の子。
せっせと☆ちゃんのお世話をするSさんは、☆ちゃんがかわいくてたまらない様子。
傍から見てもほほえましくて、☆ちゃんの幸せぶりが伝わってくる。

一仕事終えて、☆ちゃんと一緒に土手までお散歩。
土手にはりんご畑が続いて、ときどきは厩舎のお馬さんたちにもプレゼントして
くださるのだという。
文字通り、☆ちゃんの道草をしながら、Sさんとおしゃべり。
目の前には岩木山が優しい姿で佇んでいる。
馬がきっかけで出会えたSさんと☆ちゃん。
いつかお訪ねしたいと思っていたことが現実になった・・・しみじみとした喜びがにじむ。

厩舎に戻り、やがて仕事を終えてSさんが神棚に手を合わせて目を閉じた。
その祈りの姿が美しい。
きっと毎日の祈りがSさんを支えているのだろう。
外に出ると岩木山に夕焼けがかかって、空が赤くなっていた。
自然に祈りたくなるような神々しさだ。
これからもSさんと☆ちゃんを見守ってください、岩木山さん!

八戸と馬

いよいよ青森出発の朝。
朝日がまぶしくて、今日の晴天を約束してくれているようだ。

東北新幹線はやてで約3時間。八戸駅は最新設備のピカピカの駅だった。
まずは競走馬のふるさと案内所へ行き、お目当ての牧場について
連絡先を教えていただく。
案内所を辞して早速1軒目の牧場へ電話を入れたが、お昼前なのかつながらない。
電話がつながらなければ見学はできないというので、あきらめるしかない。

気持ちを切り替えて、やはり行ってみたかった八戸市博物館へ。
ふるさと案内所で頂いていたパンフレットに‘東北地域に根ざした馬産の歴史を学ぶ
八戸市博物館’とあった。

そのとおり、館内の展示物をじっくり見て回ると、いかに八戸の歴史と馬の関わりが
深かったかが実感できた。
中でも100頭の馬を描いたという絵巻物は圧巻。
ほんの一部しか広げられていないのが残念だったが、生き生きとした馬たちの姿に
じっと見入ってしまった。
また、「おしらさま」にまつわる娘に恋した馬の悲しい民話には、胸が痛んだ。

八戸に来る前からずっと疑問に思っていた「戸(へ)」の意味も、ここで分かった。
分かったどころか、戸は馬に由来するものと知り大感激!

博物館で手にした資料によれば・・・
‘岩手県北から青森県南にかけて一から九の数字に「戸(へ)」がつく地名が残されており、
それらは、特に馬産を中心とした「牧」を取り込んだ行政単位で、「戸」の中にいくつかの
牧を設け管理したものと思われる。
江戸時代には八戸だけでおおよそ二万頭の馬がいたことがわかる’
というものだった。

一戸、二戸、三戸、四戸、五戸、六戸、七戸、そして八戸。
それぞれにいくつかの牧があり、馬たちが飼われていた。
博物館の展示物がにわかに蘇ってきて、馬たちのいななき、蹄の音まで聞こえてくるようだ。
それにしても二万頭だなんて、昔の人口は分からないけど人の数に比べても
かなりの多さだったのではないだろうか。

一息いれようと休憩ロビーから窓の外に目をやると、川の流れが眼下に広がっている。
スタッフの方に「馬渕(まべち)川」と教えていただく。
なんだか、その頃の馬たちが群れをなして川辺で水を飲む姿がみえてきた。

博物館に隣接して日本100名城にも選ばれているという「根城(ねじょう)」へも
足を伸ばしてみた。
根城は復原された南部氏の居城で、20年近い歳月をかけて公開されたという。
みごとな復原により、当時のお城の様子が一目瞭然。

やはり馬好きが注目したのは、お城の馬たちの厩舎や来客の馬を繋いだ馬屋の建物。
お殿様の愛馬の専用厩舎である上馬屋、お城の馬たちのための下馬屋、そして
来客用の中馬屋。
馬房の中には、当時の馬の骨格に基づいてつくられた馬たちも何頭か繋がれている。
たくましい体躯に大きな頭、これが南部馬の姿か。
思わずつくりものの馬たちの鼻面をなでてみる。

明日はやっぱり寒立馬を訪ねてみよう。
南部馬の血をひく彼らに無性に会いたくなってきた。

旅支度

興味津々でバッグに潜り込もうとするさくらを右に左によけながら!?
明日に迫った青森の旅支度をなんとか終えた。

一昨日、なんか体調がおかしくなり、そして昨日はとうとうダウン。
急に涼しくなったせいか、久しぶりに風邪を引いてしまった。
葛根湯をお湯で溶かしてゆっくり少しずつ飲んで、ひたすら安静の一日を送る。
そのおかげか、今日は殆ど平常に戻ってほっと一安心。

青森の旅を直前に控えて寝ている場合じゃない、と昨日は寝床の中でやきもきしつつ、
リュックに詰め込むあれこれをシュミレーションした。
今日はそれを思い出しつつ、ひとつひとつ忘れ物のないように支度を整える。

青森の馬友達Sさんから、「急に寒くなったので暖かくしてきてくださ~い」と
ありがたいメールを頂く。早速、冬用のブルゾンも詰め込んだ。

ぎりぎりまではっきりしたプランが決まらなかった青森行き。
競走馬の故郷案内所から送っていただいた牧場地図やガイドブックを隅から隅まで
チェックしていくと、あ、ここも行ってみたい、こっちもよさそう、この馬にも会いたい。
馬と縁の深い青森だけに、馬好きにはたまらない土地柄なのだ。

そして極めつけは尻屋崎の寒立馬。
八戸からならそう遠くなさそうだから、せっかくだから見てみたいなぁ~という
思いが募るばかり。
Sさんと愛馬Hちゃんにもぜひ会いたいし・・・うーん、日にちがいくらあっても足りなくなりそ!

台風15号もなんとか海上に抜けそうで、後は新幹線が時間通りに動いてくれるのを
祈るばかり。
初めての青森の馬旅、どうか良い出会いがありますように!


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