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チモシーグラス

Author:チモシーグラス
がんを経験してみて、改めて生きるすばらしさに目覚めました。

大好きな馬のこと、愛猫のこと、草花のこと、健気に生きるさまざまな命の輝きを、四季折々に綴ります。


なお、当ブログ『チモシーファーム』の画像と文章の無断転用を、固く禁じます。


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樽酒『寒立馬』

taruzake081012-1.jpg
(大きなりんごくらいのかわいい樽酒・・・
2008年10月12日、千葉・鎌ケ谷にて)

旅から帰ってから手付かずだった後片付けをしていたら、リュックの中に
丸っこいビニール袋。
出してみると小さい割には重い。
えっ、何だっけ?
頭をクエスチョンでいっぱいにしながら、袋を開けたら中から出てきたのは
大きなりんごくらいの大きさのミニミニ樽酒。

ああ、そうだ!
ほとんどの荷物は宅急便で送ったが、これだけは途中で割れても困るので
タオルにくるんでリュックに入れて背負ってきたのだった。
すっかり忘れていただけに、なんだか手にしてみると得した気分。

尻屋崎の売店でみつけ、中身はお酒だし、空き樽は旅の記念になると思い
即買ったものだった。
下北半島 尻屋 と書かれた中央には、雪の中で草を探す寒立馬たちの姿。
‘むつ市柳町一 (有)関乃井酒造'と刻印されている。

早速、夜の晩酌でお味見。
爽やかな口当たりで飲みやすい。
寒立馬たちの優しい姿が蘇ってきた。

もうすぐ、この絵のように厳しい冬がやってくる。
あの仔馬たちは無事に乗り切ることができるだろうか。
きっとだいじょうぶ、長い厳しい歴史を生きつないできた馬の子孫だもの。

寒立馬

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(尻屋崎一面に咲いていた可憐なコハマギク・・・2008年10月3日、青森・下北にて)

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(寒立馬に会えた!)

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(ひたすら草をはむ母馬)

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(そばに仔馬もいた!)

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(仔馬もひたすら・・・)

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(いつのまにか、もう一組の親子も姿を現した)

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(まだまだ母さんに甘えていたい)

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(ちょっと、ひと休み)

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(秋に包まれて・・・)

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(この葉っぱ、大好きなんだ)

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(でも、やっぱり、まだ、おっぱいが好き)

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(ひっそりと寄り添うように咲く花たち)

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(頑張って、厳しい冬を乗り切るんだよ)

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(帰り際、先ほどの親子に再会)

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(あなたたちも、どうかこの冬を無事に乗り切って・・・、と祈らずにはいられない)

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(別の群れにも出会えた。やはり、仔馬を連れている)

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(海に守られて、海に鍛えられて)

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(逞しい姿にてっきり牡馬かと思ったら、母馬だった)

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(初めて会えた寒立馬の姿にたくさんの想いがあふれた。また会いに来ます)

<書きたいことがいっぱいあって長文になってしまいました。
最後までお読みいただけましたらうれしいです>

さぁ、今日は寒立馬に会いに下北・尻屋崎へ。
朝5時起床で宿泊先の本八戸駅から在来線で八戸駅へ。八戸から特急で野辺地(のへじ)へ。
野辺地から陸奥湾沿いに走る大湊線、別名むつはまなすラインで下北へ。
下北からバスでむつバスターミナルへ。ターミナルからまたバスに揺られて11時前、
やっと尻屋崎到着。
ふーっ、やっぱり尻屋は遠かった。

まずはのどの渇きをうるおし、岬巡り前の腹ごしらえとばかりに、灯台前の売店で
缶ビール片手につぶラーメンをすすりながら、寒立馬たちの姿を目で探す。
来る前のリサーチでは、灯台をバックに草をはむ寒立馬たちの姿をしっかり目に
やきつけてきたが、かんだちめのかの字もない。
売店の人も「今日はみかけませんねぇ」。
せっかく来ても会えずに帰る人もいるという。ウエーン、そ、そんなぁ。

と、やはり馬を見にきたらしい女性が売店にやってきたので、その人にも聞いてみたら
やはりみかけないという。
東京から、寒立馬を見るためだけにむつに泊まりにきていて、1時のバスで帰るという。
話してみると、競馬も乗馬もやらないが馬や犬が好きで、寒立馬のことは新聞記事で知り
見たかったのだという。
木曽馬も訪ねたと聞いて、いつか私も行ってみたいと思っていたのでそのときの様子を
興味深く聞いた。
ディープインパクトのこともニュースで知り北海道まで訪ねたが、その日はおでましにならずに
がっかりして帰ってきたのだとか。

馬の話で盛り上がりつつ、それではと一緒に寒立馬探しを始めたが岬を見渡しても
それらしき姿は見えない。
二人して途方にくれていたら、男性が車から降りてきたので思いきって尋ねてみる。
車の中には女性二人が待っていた。
「馬なら見たよ。親子で草地にいたよ」。
いた!しかも親子!きっと男性の目に映った二人の目は少女漫画のように
キラーンと輝いていたに違いない。

お礼もそこそこに言われた方へてこてこ歩き出した。
と、しばらくしてさきほどの車が戻ってきて手を振っている。
さっきの親子をみつけたからそこまで乗せていってくれるという。
同乗した女性たちは、私たちのために降りてくれた。
恐縮しつつご親切に甘えて車に乗せていただき、しばらく走ると
あ、いた、いた!
秋色の草原に溶け込むように栗毛の母馬とそっくりな仔馬が。
男性に心からのお礼を言って車を降りた。

驚かせないよう、静かに少しずつ近寄ってみる。
おとなしい馬とは聞いていたが、半野生の馬、やはり慎重になる。
まして仔馬を連れているとなると、さらに気を使う。
が、やはりそれは杞憂だったようだ。
母馬も仔馬も私たちが近づいても、全く変わらず無心に草をはんでいる。
仔馬も逃げない。
そっと近づいてうなじをなでてみたら、少し汗ばんで暖かい。

しばらく二人で親子馬を眺めながら馬談義が弾んだが、そろそろ女性の方は
帰りのバスの時間。
「親子馬に会えただけでも満足です」と言って立ち去っていった。
また、どこか馬を訪ねた先でお会いできるといいなぁ。

一人になって再び岬を歩いてみたが、あの一組以外は見当たらない。
タクシーを4時前に頼んでいたので、まだ時間はあったが次第にあせってくる。
ふっと、もしかしたらあの親子のところに群れが合流しているかもしれない、と思い立って
戻ってみると、群れはいなかったが、おお、別の親子がいた。
しかも沼に入って水草を食んでいる。

やはり驚かせないよう、静かに近づきながらカメラのファインダーを覗く。
遠く南部馬の血を残し、軍用馬として、農耕馬として、そして肉馬として時代と共に
生き続けてきた寒立馬。
近年になってあと数頭となったとき、やっと保護の手が差し延べられて少しずつ頭数も増えて
いるという。
そんな人間たちの思惑にも淡々と生き続けてきた馬たちの静かな佇まいに、
ファインダーを覗く目がうるんでしまう。

馬たちのそばで過ごす時間はあっという間に過ぎ、そろそろ帰る時間・・・。
松林で目を閉じて休んでいた仔馬を起こさないよう、そっと、さよならとつぶやいたら
何を思ったのか、静かに後をついてきて目の前で止まった。
愛くるしいまなざしを見ていたら、これからの厳しい冬をどうか無事に乗り切ってほしいと
願わずにはいられない。

予約していたタクシーがすでに来ていた。
少し早いけどと思いつつ、未練いっぱいで車に乗り込むと来た時と反対側の道を
走り出した。
近道なのかなと思っていたら、しばらく走ると松林に囲まれた広い草地に寒立馬の群れ!
「やっぱり、ここにいた」運転手さんがつぶやき車を止めた。
乗る前に親子二組しか見られなかったと言った私の言葉をしっかり覚えていてくれたのだ。

夕日が傾き始めた草地には、仔馬たちを含み十数頭の群れが思い思いに草を食んでいる。
こんなにたくさんの馬を見ることができたなんて・・・運転手さんに感謝、感謝。
時間を気にしつつシャッターを切る。
できることなら、日が暮れるまでここにいたいけどそうもいかない。
未練を振り切るように車に乗り込む。

最低限の管理はされているとはいえ、殆ど野生に近い状態で生きている寒立馬たち。
生きる自由と生きる厳しさに裏打ちされた姿は、たまらない魅力にあふれていて
初対面というのに、すっかり魅了されてしまった。
初夏の尻屋崎はたくさんの花が咲いて、仔馬たちがいて、とてもいいと売店の方が
教えてくださった。
その頃に絶対、また来たい。

★寒立馬メモ★
寒立馬は、現在、青森県の天然記念物として青森県と東通村(ひがしどおりむら)が
管理し保護しています。
また、「寒立馬保護基金」を設け募金を募っています。
詳しいことは、東通村HP及び「ハローNET青森・東通村」をご覧ください。
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