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チモシーグラス

Author:チモシーグラス
がんを経験してみて、改めて生きるすばらしさに目覚めました。

大好きな馬のこと、愛猫のこと、草花のこと、健気に生きるさまざまな命の輝きを、四季折々に綴ります。


なお、当ブログ『チモシーファーム』の画像と文章の無断転用を、固く禁じます。


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突然の別れ

harukakko080507-3.jpg
(母になったばかりのハルカッコ・・・2008年5月7日、北海道・新冠にて)

日高へ行こうと決めた翌日届いたお年賀状に、体が固まった。
1頭の繁殖牝馬の消息、「昨年秋の離乳後に移動しました」。

4歳で繁殖にあがり、昨年初仔を産んだばかり。
まだまだ牧場にいられるもののと安心しきっていた。
翌日、日高行きのことも兼ねて、恐る恐る牧場さんに電話を入れてみたが
現実だった。

母馬のお腹にいるときからの付き合いだった。
牧場、育成場、競馬場へと弾む気持ちで会いに行った日のことが
つい昨日のことのよう。
初仔を連れた姿に安堵した日から、まだ一年も経っていない。

競走馬の宿命とはいえ、突然の別れにどうしようもなく気持ちは落ち込むばかり。
自分だけの胸にしまっておくには辛すぎて、新年早々暗い話で気がひけたが、
気心の知れた馬友達にメール。

馬友達からの優しい言葉に少しは落ち着いたが、悶々と気は晴れない。
ファンにはどうすることもできない現実。
何の力にもなってあげられなかった自分を責めるばかり。

しばらく空っぽの心が続いたが、突然、(自分の力でどうにもできないことは、現実を
見つめ、ありのままに受け入れるしかないでしょう)という声が、胸の奥から聞こえてきた。
現実をありのままに受け入れる・・・いくら辛くても競走馬と離れられない以上、
それしかないか。
そう思ったら、やっと少しずつ気持ちが楽になってきた。

思い返せば出会えたおかげで、どれほどの喜びと感動を味わえたことだろう。
短い期間だったけれど、想い出はあふれるほどにある。
宝石箱から大切な宝物をひとつ、ひとつ取り出しては眺めるように、
これからは、折に触れて面影を思い出そう。
誰か一人、その馬のことを忘れないでいてあげれば馬は浮かばれる・・・。

薄氷を踏むように生きる競走馬たちとの出会いは、まさに一期一会。
だからこそ、出会えた時間を大切にしなくては。
この別れで、改めてそのことを思い知らされた。

そして、日高のどこかで繁殖を続けているかもしれない、という淡い望みも
捨ててはいない。
美しい栗毛に美しい流星の牝馬が、今日も雪の中に佇んでいる姿が見える・・・。
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